2012年04月03日
年金資産大幅取り崩しが金利上昇を呼ぶ?

「年金給付へ8.8兆円 換金
公的運用期間 国債など売却
団塊退職で最大に 12年度
2012年4月3日 日経新聞 3面」
「金利上昇に警戒感
株買い支え役も厳しく
2012年4月3日 日経新聞 3面」
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人は、2012年度は
前年度比37%増となる8兆8千億円の積立金を取り崩すと発表しました。
取り崩しは4年連続で過去最大規模となるようです。
団塊世代が年金を受け取る年齢にさしかかり、年金の支払が増えるため
です。
同法人は主に保有する国債を売却して現金化する方針で、市場では
長期金利の上昇要因と警戒する声も出ています。
??
年金の資金が取り崩されると、何で金利が上昇するの?
頭の中でイメージが繋がらない方も多いかもしれません。
今回のケースでは、国債が大量に売却されることにその要因が発生します。
国債はご存知の通り「国の借金の債権」ですが、国も個人や企業と同様
ちゃんと返せる=信用がある、と判断されないと誰もお金を貸して
くれなくなってしまいます。
または、「国にお金を貸すよりももっと儲かるものがあるのなら、
そっちで運用したほうがいい」という事になり、国債の人気は下がって
しまいます。
国の信用が下がったり、国債の人気がなくなっても、国は借金を
しないと利息の返済にも困ってしまうような状況です。
何とかお金を工面しないといけないので、人気がなくなった分
「たくさん利息を払いますので、みなさん何とか貸してください」
ということになります。
国債の金利は、こうした市場原理によって決められています。
と、いうことは今回のように大量の国債が市場に売りに出されると
買いたい人よりも売りに出ている国債の量が大きくなり、買い手が
付きにくくなる=人気が下がる、ことになります。
それが大きくなると、国債の金利=長期金利が上がってしまう
という事になるのです。
関連記事:「金利上昇の可能性、変動金利ローンの方注意」

長期金利が1%上がると、国の借金の返済額が消費税で2%程も
増えるというようなデータがあります。
もし消費税の増税をしても、長期金利が急激に上昇したら
「返しても返しても借金が減らない」借金地獄に陥ってしまいます。
そして、「あの国、大丈夫か?」と外国(の投資家)などが
不信になると、ますます日本国債の買い手がつきにくくなり、
金利がさらに上昇するという悪循環に陥ってしまうのです。
ヨーロッパでの経済危機のニュースは、知らない人はいないと
思います。
いやいや「日本国債はほとんど日本人が買っているので大丈夫」
という意見もありますが、あくまで「今は」ということです。
今回のニュースは、現に年金資金=今までの蓄え、を取り崩さざるを
得ない状況にあるということを伝えています。
日本は貿易赤字にも転落しており、日本が日本を支える力は
これから小さくなっていくかもしれません。
関連記事:「貿易赤字に転落した日本の行方は?」
こんなシナリオを妄想して仕事のことを考えると、今長期固定金利で
住宅ローンを借りる人はラッキーかもしれません。
変動金利で長期間借り入れをしていて、すでに返済に苦しさを
感じている方は、対策を考えないと怖いですね。
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Posted by FP-Dai at 13:48│Comments(0)
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