「住宅ローン曲がり角
　　銀行、低金利競争で採算悪化
　　一部に撤退の動き
　　　2012年4月2日　日経新聞　3面」


低金利合戦が白熱している住宅ローンですが、銀行の住宅ローンが
曲がり角を迎えているというニュースです。

2011年12月末の貸出残高が過去最高の105兆円を超え、融資の4分の1を
占めるまでに拡大する一方で、一部の不良債権化を心配する声も
出ているようです。


住宅ローンは景気が低迷する中銀行にとって数少ない「安全資産」と
されてきましたが、撤退、縮小に転じる金融機関も現れ始めました。

インターネット専業の住信SBIネット銀行が4月1日、ネット経由での
住宅ローン受付を中止すると発表しました。

これからは住信SBIネット銀行本体からの融資ではなく、親会社の
三井住友信託銀行に取り次ぐ「代理業者」として取次ぎ業務を
行うことになります。

同銀行は個人顧客がほとんどであり、貸し出し債権の9割を住宅ローン
が占めているため、構造上偏りすぎてリスクが高い、という特有の
理由もあるようです。


低金利競争が行き過ぎているという指摘もあります。

大手銀行は強気で年利1％を切る変動金利の住宅ローンを販売して
いますが、住宅ローンの採算は悪化しており、店頭金利から
コストと優遇金利を引いた利ざや（儲け）は大手行でも0.1％
程度まで悪化し、赤字転落寸前との見方もあります。

日銀も銀行のリスク管理の甘さが過度な低金利競争に繋がっている
恐れがあるとして査定内容やリスク管理に対して厳しく検査する
予定で、低金利競争にも歯止めがかかる可能性もあります。

関連記事：「住宅ローンの金利水準、金融庁がチェック」




銀行が住宅ローンの販売に力を入れると、状況によっては利用者が
知らない間にリスクを背負い込んでしまう可能性もある。

住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンをこれから借りようと
言う人の39.3％が全期間固定金利型のローンを希望しているのに対して
実際の借り入れで選択した人は24.6％になっています。

一方で当初から変動金利で借り入れを希望していた人は27.1％で
あったのに、実際に変動金利で借りた人は45.8％にまで増えている
というデータがあります。

もちろん、リスクや特徴をよく理解した上で変動金利を選択しなおした
人も多いと信じたいのですが、同機構がアンケートで変動金利で
返済中の方に「住宅ローンの商品特性や金利リスクへの理解度」について
聞いたところ、約3割から4割が「理解しているか不安」「よく理解
していない」と回答しています。

固定金利を選びずらくなる、特有の理由がある可能性も否めません。

関連記事：「家を買うときなぜフラット35を薦められないのか」


住宅購入＝住宅ローンは家計の運営に非常に大きな影響を与えます。


今の状況が返済期間中ずっと続くということは、まずないものと
考えて、冷静に選択したいものです。

また、今回の記事のように住宅ローン獲得競争の一服や消費税増税など
これからは住宅取得に関する状況は厳しくなっていく可能性があります。

だから慌てて家を買え、というわけではありませんが、将来マイホームを
持ちたいとお考えでしたら、今から情報を集め真剣に検討してみて
いただきたいと思います。



家計のサポートセンターでは、5月に静岡と浜松で住宅取得のための
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関連リンク：「消費税増税間近？今こそ考えたいマイホーム
　　　　　　　これなら買える！中立FPによる住宅購入塾」

■日時・会場
◆静岡：5月13日（日）14:00～15:30
　静岡県男女共同参画センターあざれあ
　　（〒422-8063　静岡市駿河区馬渕1丁目17番1号　054-255-8440）
　http://azarea.pref.shizuoka.jp/access.html

◆浜松：5月20日（日）14:00～15:30
　可美公園総合センター 第3研修室
　　（浜松市南区増楽町920番地の2　053-449-1155）
　 http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/maps/m-kami_p.htm


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