患者のDNAを研究するバイオバンクを整備

FP-Dai

2012年05月27日 09:27




「患者DNA50万人分析
  国立医療機関が共同管理
  新薬・治療に活用
   2012年5月25日 日経新聞 1面」


厚生労働相は患者の血液サンプルなどを一括で管理し、研究に使う
「バイオバンク」を年内に整備するそうです。

10年間でおよそ50万人分の確保・分析を目指し、国立医療機関で
疾病と遺伝子の関係を調べる研究に使うほか、製薬会社や他の研究
機関の利用も認め、新薬や治療法の開発を促すようです。


こうした背景には、患者の遺伝子情報に応じて個体の体質にあった
治療を施す「個別化医療(テーラーメード医療)」の動きが内外で
加速していることがあります。

たとえば抗がん剤の場合、DNAの種類ごとに副作用が出にくい薬を
開発できれば患者の負担は大きく軽減されます。

また、疾病について発症のしくみや効果的な治療法の解明に
つながったり、難病治療薬の開発に役立ったりということも
考えられます。





患者側のメリット以外にも、過剰投薬を防いで医療費抑制という
効果も期待されています。

日本の医療費の40兆円のうち薬剤費は8兆円を占めるとされています。

医療費を支えているのは私たちが支払う社会保険料と税金。

医療費の抑制は当然私たちのメリットにもなるわけです。


産業という面でも、国が力を入れたい事情があります。

世界の医薬品市場は10年で約2.4倍となっており、新興国の中間層の
台頭で今後ますます増加することが考えられます。

そんな中で日本の製薬会社のシェアは、

  1999年  16.1%
  2009年  11.1%

と10年で3分の2に縮小しています。

研究開発を国が後押しすることで新薬開発にも弾みがつき、経済的な
効果も高まるかもしれません。


医療技術の進歩は目覚しいものがあります。

たくさんの人が幸せになれるよう、これからもがんばってほしいですね。







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