国民年金不払い問題、未納率が上昇した理由

FP-Dai

2012年05月28日 08:41




「国民年金不払い40%超え
  国の徴収体制不備で拍車 地方の工夫見切る
  制度不信と未納 悪循環
   2012年5月27日 日経新聞 11面」


先日も記事にアップしましたが、国民年金の不払いが40%を超え、
過去最高を更新しています。

なぜそんなことになってしまったのでしょうか?

きっかけは2002年の制度変更があるようです。


国民年金の未納率は90年代はじめは10%台半ばで推移していました。

それが転機の2002年度、37%まで急上昇しました。

02年以降は行きつ戻りつしながらも上昇基調が続いています。

02年は保険料を集める主体を市区町村から厚生労働省の外局である
社会保険庁(今の日本年金機構)に移した年です。

国民年金制度は厚生労働省の所管で、地方政府(自治体)にゆだねて
いたのを改め、中央政府(国)が責任を持つ体制に切り替えたのですが、
結果、国のメンツは丸つぶれということになりました。


それ以前の市区町村が担当していた時代は、地元の自治会や町内会を
通じて集めるなど取りこぼしを出しにくい工夫が生きていました。

しかし、社保庁はこの仕組みを見切りました。

それが未納急増の最大の要因となったようです。



以降も、08年のリーマンショックを機に非正規社員が増え、今までの
自営業者や農林漁業を営む人に照準を定めていた徴収体制も通用しにくく
なってきています。

「消えた年金問題」も対応に莫大な労力を要し、結果として未納問題の
対応は後手に回った原因となったようです。

いくつもの条件が重なって現在の「不払い問題」となっているようですが、
未納率が上がり続けているの理由は厚労省が収納対策を後回しにしている
という声があります。


国民年金は低所得者への保険料の減免制度があります。

しかし、減免対象にならないすれすれの所得層の未納が特に増えている
とのことです。

また、根本的な「年金制度不信」から、減免対象の人に手続きを勧めても
どの道年金はもらえないと、手続きさえしない若者が目立つように
なってきたそうです。

そうした人たちが老後を迎え、生活に困窮するようになると、結局
まじめに働いている人、納税や社会保険料を払っている人の負担が
増えてしまいます。

こうした問題は、他人事ではないんですよね。(-_-;)






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